知ってる?ピロリ菌を退治することで胃がんは「絶滅危惧種」に!

最新の研究によって、胃がんの原因が解明されてきました。

かつて、このストレスが胃潰瘍の原因と言われた時代がありました。

ピロリ菌ってなんですか?

名前はかわいらしいが、とんでもない菌だよ

とっても知りたくなってきました!

現在は、ピロリ菌+塩分=胃がん。

つまり、ピロリ菌に感染している人が、塩分過多になると、胃粘膜の炎症が進み、胃がんを発症しやすくなるということです。

胃がん患者のほとんどがピロリ菌に感染していますが、ピロリ菌の感染者のうち胃がんになる人は1%以下。

ピロリ菌に感染しても胃がんになるわけではありません。

実際、胃がんの患者は、塩分摂取量の多い東北地方に多い傾向があります。

胃がんによる死亡率が一番高いのは秋田県で、青森県、山形県が続きます。

逆に塩分摂取量が全国一少ない沖縄県では、胃がんによる死亡も最低です。

ピロリ菌って何者?

ピロリ菌は胃の粘膜にすみつく細菌です

本体の長さは4ミクロン(4/1000㎜)で、2,3回、ゆるやかに右巻きにねじれています。

一方の端には「べん毛」と呼ばれる細長い「しっぽ」(べん毛)が4~8本ついていて、くるくるまわしながら活発に動きまわることができます。

ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌です。

胃には強い酸(胃酸)があるため、昔から細菌はいないと考えられていましたが、その発見以来、さまざまな研究から、ピロリ菌が胃炎や胃潰瘍などの胃の病気に深く関わっていることが明らかにされてきました。

        (目に見える大きさではありません)

           提供:兵庫医科大学第4内科

強い酸性の胃の中でもピロリ菌はへっちゃら

胃の中には、食べ物の消化を助け、食べ物の腐敗を防ぐために、胃液が分泌されています。

胃液には、金属でも溶かしてしまう強い酸(塩酸)が含まれているため、胃の中は強い酸性(pH1~2)で、通常の菌は生息できません。

ピロリ菌が活動するのに最適なpHは6~7で、4以下では、ピロリ菌は生きられません。

それなのに、なぜピロリ菌は胃の中で生きていけるのでしょうか?

秘密はピロリ菌がだしている「ウレアーゼ」という酵素にあります。

この酵素は胃の中の尿素を分解してアンモニアを作りだします。

アンモニアはアルカリ性なので、ピロリ菌のまわりの胃酸が中和され、生息できるのです。

ピロリ菌はウレアーゼをだして、胃の中の尿素を分解してアンモニア(アルカリ性)のバリアを作り、胃の表面まで移動することができます。

ピロリ菌の発見はイースター祭がもたらした!?

ピロリ菌はオーストラリアのロイヤル・パース病院のウォーレンとマーシャルという2人の医師によって発見されました。

時は、1979年に病理専門医のウォーレンは、胃炎を起こしている患者の胃の粘膜にらせん形の菌がいることを発見しました。

そこで、同じ病院に研修医としてやってきたマーシャルとともに、この菌が胃の中で生きていることを証明しようと研究を進めました。

たまたま、マーシャルがイースター祭の休暇をとり、5日間も培養器に入れた菌をほったらかしてしまいました。


「しかたない。また、やり直しだ」とあきらめかけたそのとき、培養器をよく見ると、なんと、そこには直径1mmの透明な菌の固まりができていました。これがピロリ菌発見の瞬間です。

1982年4月14日のことでした。じつは、ピロリ菌は培養に4日間を要するため、これまではなかなか培養できなかったというわけです。

さらに1984年7月、マーシャルは培養したこのらせん菌を飲み込んで、自分の胃に胃炎が起こるかどうかを調べました。

10日目に胃の組織を取って調べると、急性胃炎がおこっており、そこにはあのらせん菌が存在していました。

いや、あっぱれ。普通ここまでやらないですよね。

なぜ、ピロリ菌に感染したの?

ピロリ菌は大人になってからはうつることはない

ピロリ菌はどのような経路で、いつ人の胃に入り込むのでしょうか。

様々な研究結果から、大人になってからの日常生活・食生活ではピロリ菌の感染は起こらないと考えらてます。

乳幼児期に親族から口を介して感染している場合が多い

ピロリ菌は、ほとんどが乳幼児(5歳以下)に感染すると言われています。

幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。

そのため最近では母から子へなどの家庭内感染が疑われています

ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。

井戸水等の水を飲むことでピロリ菌に感染していた

上下水道の完備など生活環境が整備された現代日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはないと考えられています

ピロリ菌に感染したらどうなるの?

ピロリ菌感染にストレスが加わると胃潰瘍に、塩分が加わると胃がんに!

ピロリ菌感染にストレスが加わると胃潰瘍に、塩分が加わると胃がんになりやすいということが研究で分かって来ています。

かつて、このストレスが胃潰瘍の原因と言われた時代がありました。

しかし、ストレスだけでは胃潰瘍はまず発症しません。

ピロリ菌から胃を守ろうとするための生体防御反応

ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌がつくりだす酵素ウレアーゼと胃の中の尿素が反応してアンモニアなどを発生させる。

これによって直接胃の粘膜が傷つけられたり、ピロリ菌から胃を守ろうとするための生体防御反応である免疫反応により胃の粘膜に炎症が起こります。

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌は飲み薬で除菌できます。

ピロリ菌の除菌治療には、胃酸の分泌を抑制するお薬と2種類の抗生物質の3つのお薬が用いられます。

この三種類のお薬を一週間服用することで、約8割の方は除菌に成功すると報告されています。

そして場合に応じて胃の粘膜を保護する薬剤を併用します。

除菌後のフォローアップも大切

除菌に成功したからといって、胃がんなどの病気にならないわけではありません。

ピロリ菌に感染している期間が長いと、胃の粘膜が正常に戻るのに時間がかかるからです。

除菌後も定期的に内視鏡検査などを受け、胃の状態を確認しましょう。

まとめ

人類のピロリ菌感染率はほとんど100%で、部位別でも、胃がんは最近まで、トップでした。

今、アメリカでは胃がんは、白血病や膵臓(すいぞう)がんよりめずらしい「希少がん」になっています。

しかし、1940年代まではかつての日本と同様に、がんのトップでした。

日本より早く水道や冷蔵庫が普及して、ピロリ菌感染率が下がり、劇的に減ったのです。

私の父も、胃がんを経験し、胃の半分を切除しました。命はとりとめましたが、もしこのピロリ菌の駆除をしていたなら、

当時あんなに悲しい思いをしなかったでしょう。

今からでも遅くありません、ピロリ菌の検査をお近くの医療機関で実施して、除菌をして胃がんを絶滅危惧種にしましょう!

引用元

http://www.takeda.co.jp/
https://www.otsuka.co.jp/
https://生活習慣.net/
https://www.nikkei.com/

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